飼い主の気質・個体の個性・飼育住環境により変わる場合があります。
ここではタカ類を外で飛ばす迄の訓練の流れを簡単に紹介します。
鷹狩までいくには、更にステップがあります。

外で飛ばす為に必要な用具は?

足革・大緒・エガケ・鈴は準備編で書きました。
小型のタカ類は脚に鈴を付ければよいのですが、オオタカなどは尾羽にも付けます。鈴板をまず中央2本の尾羽に固定して、その上に鈴が乗るようにします。初心者はプロの手際を見て練習してからにしましょう。
タカを呼ぶ為の笛(呼子)はあった方がいいでしょう。
掛け声でもよいのですが、笛のほうが安定した音が出るので楽だと思います。餌を入れてベルトに固定する口餌籠(くちえかご)は必要です。

近所に広い公園がありません、どこでやればいいでしょう?

中型種(オオタカなど)は木のあまりない平坦な場所が理想です。
小型種であればそう広くなくても可能ですが、駐車場など私有地の使用は自己責任でやりましょう。河川敷は広くていいのですが、河を渡られると追跡困難ですから注意しましょう。早朝に訓練をするのが一般的です。車・ノーリードの犬・人が少ない場所を選んでください。家の周りが訓練に向いていない場合、輸送箱に入れて訓練地まで運びましょう。輸送箱に入れる訓練を「箱仕込み」と言います。

ステップ1 体重を管理する

購入したての鳥は落ち着きが無く、バタつきますので、無理に手の上に乗せたりしないで静かに繋いでおきましょう。
最初は餌を抜きます。何日抜けばよいか、は重要なことですからプロに聞いてください。おなかが空いてくると、餌のことしか考えられなくなります。体重管理は訓練の基本中の基本ですので、体重計に乗る訓練を後に入れてください。

ステップ2

エガケに丸のままの餌を握って、繋いだまま止まり木に置いてみます。
「人間が嫌い」よりも「エサを食べたい」が勝ると、エガケの餌を食べ始めます。エガケの上に乗って食べ始めたら、食べ終わるまでそのまま手は動かさないで下さい。また食事中の鳥をあまり見つめないで下さい。慣れてくると5〜10センチの止まり木から離れていても、飛び乗ってくるようになります。必ず笛(呼子)や掛け声で呼ぶようにします。それが食事の合図になっていきます。

ステップ3 据え(すえ)・据え回し

足革を握り、鳥をエガケ(通常は左手)に乗せることを「据える」といいます。羽振るいをして、片足を上げ、尾羽をエガケに付けるようになれば、リラックスしている状態です。この状態で長時間据えていられるようになると「据えが効く」といいます。据えが効いてきたら「据え回し」を始めます。室内から、だんだん外に連れ出して歩き回る訓練の基本です。昔は「夜据え」という、夜に据え廻すことから始めましたが、夜の町は光が多く、余計に難しいので止めた方がよいでしょう。車や犬・人が近付いてきたら餌をあげ、鳥が嫌なことを気にしないように守ってやります。これは重要なことで、「餌で散らす」と言います。管理編で書きました「ししあて」は経験が必要ですが、触ることはすぐに出来る様になりますので、チャレンジしてみて下さい。餌で散らしながら、少しずつ脚や胸を触ってみましょう。据え廻し中に鳥がお腹一杯にならないように注意しましょう。この据え回しは、とやの時期に入るまでの毎日の作業になります。

ステップ4(据えと並行)

止まり木から外し、地面または低い位置から、ステップ2と同じ要領で餌をあげます。10センチから50センチ、1メートルと距離を広げていきます。この時、鳥に背を向けて、腕を横に伸ばす姿勢をとります。餌が見えなくても飛び乗って来るようであればOKです。人間を好きになるというわけではありませんが、「エガケの上はいいことがある。」と鳥は思います。小型種は室内で紐無しで出来ますが、中型種の場合、庭先で紐付きのままやりましょう。

ステップ5 渡り

長い紐をつけたままでよいですから、屋外の何処かに止まらせて、呼んでみましょう。初めは1メートルから、だんだん距離を伸ばします。木に上がらないように注意してください。枝に紐が絡まり、回収が面倒です。また風上から呼ぶのが基本です。種によって違いますが、回数が多過ぎると逆効果になります。スタート地点を変え、どこからでも来るように仕込んでいきます。呼べば30メートル以上確実に来るようになれば、もう紐はいりません。飼い主が緊張しないように紐を外し、距離を伸ばしながら呼んでみましょう。遠くの枝に投げ、呼んだら来る、来たら食べる、これを「渡り」と言います。一般に言う「外で飛ばす」はれに当たり、鷹狩の際に回収の基本となる訓練です。なおハヤブサ類の場合、「渡り」ではなくルアー(疑似餌)の仕込みを行います。

ステップ6 振替(ふりかえ)

人の拳→人の拳へ飛ぶことを「振替」と言います。
2人で訓練できる場合は、渡りと並行して「振替」の訓練をしてみましょう。基本は同じく、だんだんと距離を伸ばしていきます。